OTC薬協刷新懇談会

OTC薬協刷新懇談会はOTC薬協の事業をみんなで考える会です

グローバの大きな流れはセルフケアですね(その1)

この記事を見たときブログに書かなければと思っていましたが、忙しさにかまけて遅くなりました。その記事とはドラックマガジン誌7月号に掲載されたOTC薬協佐藤会長とGSCFメイン会長の対談記事です。

メイン会長は 会の名称をWSMIからGlobal Self-Care Federation(GSCF)に変えたことに対し、世界的に高齢化が速いスピードで進んでいる、それに対応する医薬品や医療機器、テクノロジーのニーズが高まってゆく、健康に対する情報が増える、の3点を挙げ、行政に対し医療制度の持続性のためセルフケアが如何に貢献できるかの理解の働きかけをするとともに、生活者に対し健康管理に自信が持てるよう必要な情報、教育の機会とともにツールを与え、意識を醸成することが必要で、この流れに対応すべく改称したと述べています。

7月12日のブログ「WSMIはGlobal Self-Care Federation(GSCF)に組織名称が変わりました」に記載したように、自身の組織としての役割を果たすために活動内容とともに名前も変えたことが判ります。また、メイン会長は「よりセルフケアを促進する必要があるということは、国際的なコンセンサスを得られています。」と述べ、国際社会が取り組んでいる「持続可能な開発目標(SDGs)」や「Universal Health Coverage(UHC)の達成」に歩調を合わせた活動を目指していることもわかります。

これを受けて佐藤会長は「セルフケアを実践することにより、疾病予防や重症化予防、介護の予防など深刻な状態の人を減らすことも期待できます。セルフケアの浸透によって、健康寿命の延伸に貢献したと考えています。」と述べています。さすが佐藤会長は国際派ですね。しっかりとグローバルの流れを理解し、今後を見据えている気がします。しかも健康寿命延伸は「セルフメディケーション」ではなく、「セルフケア」なんですね。私も健康寿命の延伸は「セルフメディケーション」では不可能で、「セルフケア」でしか成し得ないと考えています。この理由の詳細は後のブログで掲載します。ぜひOTC薬協もセルフメディケーションにこだわらず、もっと広い視野で生活者の健康を考えていただきたいと思います。

メイン会長はさらに、GSCFも大きな変化を強いられていると言い、その要因として「技術の進歩により消費者の健康管理の方法が根本的に変わる機会が生じている」、「イノベーション市場に投入し、消費者が必要な製品をいつでもどこでも必要なときに利用できるようにしなければならない」ことを挙げ、「未来は私たちの手にかかっていると思います。今行動しなければ、規制、方針、ビジネスの観点から大きな課題に直面するだけでなく、健康や福祉を向上させる可能性のある製品やヘルスケアソリューションへのアクセスが低下する可能性がある。」とテクノロジーの進歩がヘルスケア業界を大きく変えることを見越して、GSCFが動こうとしている意気込みが感じられます。

最後にメイン会長はGSCFのビジョンを実現する戦略として①信頼の向上、②持続可能性、③ヘルスデータの活用を挙げています。どれも大変重要な、しかも実施にはかなり困難を伴う活動ですが、これらを成し遂げないとセルフケアの普及はままならないとの強い意思が感じられます。これを受けて、佐藤会長は、「メイン会長の戦略を支持します。」と明確に述べられています。支持しますと言い切るところは男らしいですね。OTC薬協の中でもGSCFのこの3つの戦略をサポートする動きを期待します。ここまで言い切ったのですから、やっていただけますよね。