OTC薬協刷新懇談会

OTC薬協刷新懇談会はOTC薬協の事業をみんなで考える会です

組織の問題を考える~つづき~

先回のブログで東京オリンピックパラリンピック大会組織委員会旭川医科大学の問題を取り上げ、マーガレット・ヘファーナン著書「見て見ぬふりをする社会」から、傍観者が多い組織は、一部の人に権力が集中し組織の私物化をもたらす問題点を指摘しましたが、最近また一つ考えさせられる報道がありましたのでコメントを。

すでにマスコミなどで大きく取り上げられたので皆さんも認識されていると思いますが、緊急事態宣言の延長をめぐり小池東京都知事の行動に対し、黒岩神奈川県知事が事実と異なる説明をしたと苦言を呈した問題です。

事件の概要は、3月1日に黒岩知事は小池知事から電話で緊急事態宣言延長要請を持ち掛けられましたが、黒岩知事はもう少し感染動向の数字を確認したいと留保する考えを伝えました。翌3月2日に、小池知事は黒岩知事に、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県4知事で西村経済再生担当大臣との面会を提案し、緊急事態宣言の2週間延長要請文書を示しました。黒岩知事は「他の知事(埼玉県・千葉県)と話をしていないが、皆さん賛同しているのか。」と聞いたところ、小池知事は「大野埼玉県知事と森田千葉県知事は賛成している。」と答えたといいます。その後、黒岩知事が直接大野知事と森田知事に確認したところ、2人とも「黒岩知事が賛成していると小池知事から聞いたので、同調することにした。」と返事しました。黒岩知事は翌3月3日に開催された4都県知事のオンライン会議で、小池知事に信頼関係が薄れると抗議したところ、小池知事から謝罪があったということが報道されています。

 その後、記者会見で小池知事は、黒岩氏の発言に対して、直接の反論も否定もせず、事務方の伝え方に問題があるように匂わせて、「普通のやり方を進めていた」と発言したことも報道されています。

緊急事態宣言延長の要請の際に、4都県の知事たちの連携の裏で小池知事の虚偽報告があったことを神奈川の黒岩知事が表に出した事件でした。この報道を受けて、西村経済再生担当相は3月8日の記者会見でこの件について、「誰が主導権を取るとか、誰の手柄にするとかではなく、連携してやっていくことが大事だ」と述べ、苦言を呈したと報道されています。また、橋下徹大阪府知事は、この決定過程はよくなく、透明なプロセスを踏んで行うべきだったとコメントしています。

皆さんはこの報道をご覧になってどのように感じたでしょうか。

誰かが自身の意見を強引に通そうとすると、今回のような虚偽の事実に基づき根回しが行われることは往々にありますが、小池知事は公共性が高い行政の場でそれを行ったことに対し、世論の非難が起こったのだと思います。その釈明として「普通のやり方を進めていた」と発言することは、今までもこのようなことを行っていたように聞こえ、問題の深刻さがうかがえます。

皆さんの周りでもこのようなことはありませんか?

自分の意思を強引に通すために、オープンな議論は避け、虚偽の事実を告げ、または、意思決定に関わる重要な事実を隠し、裏で根回しに走り、多数工作を行い、多数決で決定するような事例です。私が2019年10月18日にOTC薬協理事会において、OTC薬協担当者と総務委員会委員を解任され、退席処分となった際もこのようなことが起こっていたと思いますし、2020年1月19日のブログでもOTC薬協の中で事前の裏工作が行われているとの情報をいただいたことを記載しましたが、最近性懲りもなくまたOTC薬協の人事案件に関して、同じことが行われようとしているとの情報をいただきました。

OTC薬協役員の皆さんは、虚偽に基づく裏工作に対して十分注意してください。そして、黒岩知事のように、このような虚偽の裏工作は行うべきではないと、毅然と反論してほしいものです。前のブログにも記載しましたが、このような裏工作の問題を指摘しなく賛同した傍観者は同罪との非難を免れないと思います。今回の小池知事と黒岩知事との問題においても、大野知事と森田知事に対し、ネットでは「全くの傍観者だ。」とか、「首長として主体性がない。」と非難を受けています。OTC薬協役員の方々にはそのようにならないように、自身の考えをしっかり表明いただきたいものです。