OTC薬協刷新懇談会

OTC薬協刷新懇談会はOTC薬協の事業をみんなで考える会です

プレスセミナーでセルフメディケーション税制改正要望の骨子が発表されました

第2回のOTC薬協刷新懇談会のテーマは「セルフメディケーション税制は今後どうあるべきか?」です。それに関する情報がありましたので記載します。

昨日プレスセミナーが開催され、セルフメディケーション税制改正要望骨子が発表されました。

プレスセミナーによるとセルフメディケーション税制改正要望骨子の中身は、全てのOTC医薬品に対象を広げる、控除金額の下限・上限枠を広げる、検診などの要件を外す、税制を恒久化するです。しかし、これら要望の必然性はきちんと説明できているのでしょうか?要望を受けた財務省がこれを見て納得すると考えているのでしょうか?

また、セルフメディケーション税制に関する調査結果の発表もありました。今年3月にOTC薬協が実施した生活者調査では、認知度が71%と高い値になったとのことですが、利用意向率は11%と、ピーク時の約20%から半減しているとの事実があります。この事実をOTC薬協はどのように考えているのでしょうか。これはセルフメディケーション税制は知れば知るほど使いたいと思わない!!まるで生活者から出来の悪い制度だとクレームを突きつけられているようで辛いですね。この税制を作る時点でもっと生活者のためにどのような制度が必要かを、OTC薬の販売側や医師会、税理士会などのステークホルダーを交えて、しっかり議論すべきだったと思います。そうすれば生活者視点のもっと使い勝手の良い税制が出来上がっていたでしょうし、普及にステークホルダーの協力も得られたことと思います。

このようなセルフメディケーション税制をいまさら中身を少し変えて、有効に活用しようとすること自体ナンセンスだと感じます。いっそこの税制はあきらめて、生活者を中心にどのような仕組みがセルフケアやセルフメディケーションに役に立つかを、一から考えたほうが結果的には社会のためになるのではないかと思えます。税制改正要望が無駄な努力をしているとしか見えないのは、私だけでしょうか。

そういえば、平成30年の確定申告状況が、5月30日国税庁より公表されました。発表によるとセルフメディケーション税制の適用者は2万6千人でした。これは昨年平成29年と同じ。確定申告者数や医療費控除適用者数も公表されており、これも前年とほぼ同じ。確定申告をした方の0.1%しかこの制度を利用していません。低すぎる利用率と、1年過ぎて利用者が全く伸びない事実は、重く受け止めなくてはいけないと思います。