OTC薬協刷新懇談会

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グローバの大きな流れはセルフケアですね(その2)

WSMIがGlobal Self-Care Federation(GSCF)に組織名称を変更したブログを掲載した後、世界保健機関(WHO)の動きを追っていていくつか気付いた点があります。

WHOが今年の6月24日に発表した「Expanding access to health services with self-care interventions(セルフケア介入による医療サービスへのアクセスの拡大)」というレポートによると、セルフケアは個人と医療システムの両方にとって重要な役割を果たすと言っていて、WHOがセルフケアの活動を支持していることが解ります。

https://www.who.int/reproductivehealth/self-care-interventions/access-health-services/en/

1.WHOは健康のためのセルフケア介入に関する初のWHO統合ガイドライン「sexual and reproductive health and rights(性と生殖に関する健康と権利(SRHR))」を発行しました。

2.6月24日~7月24日を毎年恒例の「セルフケア月間」とすることを発表しました。

また、5月の世界保健総会では、セルフケア介入に関する正式なWHOサイドイベントが開催されたようです。

GSCFが7月24日を国際Self-Care Dayに設定していることは、7月12日のブログに記載しましたが、WHOがセルフケア月間を設定していることは知りませんでした。よく世の中の情報をウオッチしておかなければなりませんね。

これらは全て、WHOのセルフケアに対する考え方の劇的な変化を示していると思います。また、世界中でセルフケアへの関心を促進するうえで大きな影響力があると考えられます。

WHOがセルフケアを重要視し始めていることは明らかだと思いますが、さらに言えば、国連(UN)は2011年以来、慢性の非感染性疾患(Non-communicable Diseases (NCD))への取り組みにおける予防(つまりセルフケア)の重要性に関する一連の宣言を出して、セルフケアをサポートしてきています。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」では2030年までの17の目標の3番目は、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」です。国連とWHOは協働で、セルフケアに対する強力な戦略的・政治的サポートを提供しており、これはこれからセルフケアを展開する上で非常に期待できることだと感じます。しかし、セルフケアを実践し、政策として導入するにはそれぞれの国で活動をしないといけないのは明白です。

その役割を担う気概はOTC薬協にはありますかね?

 

*性と生殖に関する健康と権利(sexual and reproductive health and rights(SRHR))

セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスとは、性や子どもを産むことに関わるすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも良好な状態であることです。

セクシュアル・リプロダクティブ・ライツは、自分の意思が尊重され、自分の身体に関することを自分自身で決められる権利のことです。

(公財)国際協力NGOジョイセフHPより