OTC薬協刷新懇談会

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第232回OTC薬協理事会について (その1)

1月20日に開催されたOTC薬協の理事会では、審議事項のその他の中で「前回理事会からの課題について」と称し、2019年11月5日にリスファクスに掲載された「興和・市原執行役員 大正製薬HDの上原社長を名誉棄損で提訴」タイトルの記事が資料として配布され、負担金についての話がされたようです。これに関しては改めて取り上げることとします。

また、来期会費負担に関してや、従来の裁判費用負担の「特別処置会費」に関しても話がありました。これらも重要なので改めて取り上げたいと思います。

また、前々回のブログで取り上げた「OTC類似薬の保険外し」への対応については、全く話がなかったようですので、興味がないのですかね。重要な案件だと思いますが・・・・・。

今回はそれ以外で気になった案件としてセルフメディケーション税制について意見を述べさせていただきます。

理事会後の新春祝賀会で佐藤会長はあいさつの中でセルフメディケーション税制に触れました。その内容は日刊薬業によると、「2017年に開始したセルフメディケーション税制は21年が最終年となることから「今年の税制改正要望が継続に向けた最後の機会」とし、「制度の延長、対象製品を全てのOTC薬に拡大すること、最低限度額を引き下げることなどを訴えていく」と意気込んだ。」とのことです。

佐藤会長が新春祝賀会あいさつで意気込んだ割には、理事会の報告によると、セルフメディケーション税制対応として、従来ベースのWeb広告と、他力本願の厚労省による広報バナーやSNSでの啓発しかありません。「ほんとにやる気があるの??」と疑問符が付きます。

昨年の厚労省定例会でセルフメディケーション税制改正要望を行うためには「確定申告における実績が重要」と言われ、経済課の資料にも「年末年始、確定申告の2~3月頃に集中的に広報を行うことが重要」と記載されているにもかかわらず、確定申告の直前のこの重要な時期に何ら活動の充実を行わないのはなぜでしょうか?このままでは3年連続セルフメディケーション税制の適用者が2万6千人でしたということになりかねないとの危機感はないのでしょうか?それとも、何か秘策でもあるのでしょうか?

税制改正への対応スケジュールも7月に税制改正要望を提出するだけで、あとは政治家頼みでしょうか?経済課から「何らかの調査研究は必要」と要望が出されていますが、今の時点で報告がないということは、例年通りの「生活者調査」で終わりでしょうね。

今年は佐藤会長が話したとおり「税制改正の最後の機会」です。私が従来から指摘しているように厚労省が改正要望案を財務省に持ち込んで説得をしなければならないわけですので、OTC協会はその説得材料をそろえる責任があります。特に、税制の範囲を全OTC医薬品に広げる要望を出していますので、今回の改正要望が、国民のため、国のため、そして産業界活性のために役立つことが理論的に説明できるエビデンスが必要です。

このような疑問に対し理事会では全く報告されていませんので、事務局はセルフメディケーション税制のことは諦めたのですかね?無駄なお金と労力を使うより、さっさと諦めて「OTC類似薬の保険外し」への対応などほかのことにリソースを向けたほうが、余程OTC薬協のためになります。

これだけ生活者に使用されず、注目されないセルフメディケーション税制ですから、もしかしたら諦めて放っておくと、税調でも誰も注目せず、気がついてもこの様な税制は検討の価値もないと無視され、間違ってそのまま残るかもしれませんよ。