OTC薬協刷新懇談会

OTC薬協刷新懇談会はOTC薬協の事業をみんなで考える会です

変化には従来型組織では対応できない

6月20日のブログに掲載しましたが、私は今年の6月から事業活動戦略会議の委員を一方的に解任されましたので、会の開催案内も議事録も直接いただいていませんが、OTC薬協刷新懇談会の主旨に賛同いただく方々より、情報だけはいただいています。それによると、傍聴者も副会長会社に限定し、資料配布もなくなりとますます密室会議化してゆくようで心配です。西井座長に代わり、自由な討議がなされる開かれた場となることを期待していますが、どうでしょうか?そういえば、佐藤座長が就任した際も、開かれた討議をする場所に改革したいと意気込んでおられましたが、色々な圧力があったのか、結局実現できませんでした。同じ轍を踏まなければいいのですが。

このような中、先日「変化には従来型組織では対応できない」事を議論する場に立ち会うことができ、OTC薬協のような組織では、これから大きな変化を迎える医療やヘルスケアの分野に有効な対策を取ることはできないだろうと確信しました。

その議論の場は日本医療政策機構代表理事 黒川清先生、日本WHO協会理事長 中村安秀先生、日本セルフケア推進協議会 三輪会長の鼎談の場です。黒川先生は皆さんご存知の通り、UCLA医学部教授、東京大学医学部教授、東海大学医学部長、日本学術会議会長、内閣特別顧問など歴任された日本の医学会の大重鎮で、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会委員長の経験から出てくる言葉は、医師と称するのがはばかれるほど、その枠をはるかに超えた理論展開や活動をしている方です。中村先生も東京大学医学部を出られた後、長らく独立行政法人国際協力機構(JICA/ジャイカ)や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)で活躍され、また、日本の母子手帳をグローバルに広める活動もされており、プライマリケアの第一人者です。

この鼎談で図らずも出てきた話題が組織論で、黒川先生からは「タテ型社会」、中村先生からは「サイロ・エフェクト」「タコ壺」という言葉でした。ともに意味することは同じで、「サイロ・エフェクト」 はジリアン・テット氏の著書「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠(文藝春秋)」からの言葉で、組織が孤立し、全体状態に対応できなくなり、また、既存の方法に固執して、他の方法を検討しなくなり、視野狭窄を起こし、排他主義セクショナリズムなどはびこる状態が「サイロ化」と称されています。

この議論を聞きながら、OTC薬協はまさに「サイロ化」に陥っていて、一部の幹部により私物化され、閉鎖的で、オープンな議論ができない組織では、時代の変化に応じた対応ができないと思いました。その一例が、事業活動戦略会議でも議論されている「OTC類似薬の保険外しに対するOTC薬協としての対応(事業活動戦略会議仮議題より)」です。漏れ聞くところによると、概ねOTC類似薬が公的保険の償還から外れると同じカテゴリーのOTC薬の売り上げが伸びると単純に喜んでいるようですが、ステークホルダーの考え方を理解していたら、このような単純な結論に至らないことは明白です。何を能天気に議論しているのだろうとあきれ返ります。

一度鼎談記事をよく読んで、OTC薬協はどのような組織にすべきか考えてください。

ちなみに鼎談は10月1日発行のドラッグマガジン10月号に掲載予定です。